介護保険法及び社会福祉法では、「事業者は自ら提供するサービスの質の評価を行い、常に良質かつ適切な介護・福祉サービスを提供するよう努めなければならない」とされています。福祉サービス第三者評価とは、当事者以外の公正・中立な第三者が専門的かつ客観的な立場から評価することをいいます。これは、事業者がサービスの質の向上を図るために非常に有効な方法であるといわれています。
福祉サービス第三者評価は、事業所のランク付けではありません。事業者自らが提供しているサービスについての振り返りを行い、改善の必要のある課題を発見し、さらなるサービスの質の向上をめざす取り組み手法の一つです。
福祉サービス第三者評価の範囲は、社会福祉法に定めるすべての福祉サービスとなっています。広島県では、広島県福祉サービス第三者評価推進委員会が評価項目を策定した分野から評価を行います。
平成20年度は、高齢分野から評価を開始し、21年度からは、評価項目を策定し、評価調査者の養成が終了した分野から順次、評価の範囲を拡大していきます。
福祉サービス第三者評価を実施する事業者のメリットは、おおよそ次のことがあげられます。
福祉サービス第三者評価は、福祉サービスを提供する事業者が自発的に行う任意の取り組みです。
毎年受審するなどの義務付けはありませんが、定期的に受審することでPDCAサイクル(Plan(計画)-Do(実行)-Check(評価)-Action(改善))の中で業務改善やサービスの質の向上をめざす取り組みを支援する手法(ツール)として活用してください。
行政監査は、法令等による運営基準等についての適否を定期的に行政の担当部局が確認するものです。「福祉サービス第三者評価」は、事業者自らによる福祉サービスの質の向上の支援を目的にしているという点で、根本的に異なります。
「介護サービス情報の公表制度」では、マニュアルや記録の有無などの事実確認をしますが、サービスの質の評価は行いません。「福祉サービス第三者評価」は、サービスの内容や提供の仕組みに焦点をあて、質の向上に向けた支援を行います。
評価は、広島県福祉サービス第三者評価推進委員会が行う研修を修了した評価調査者が原則として2人で行います。評価調査者は、①事業運営管理の経験者と②福祉・保健・医療のいずれかの分野の専門有識者です。
評価調査者として活動できるのは、広島県福祉サービス第三者評価推進委員会が備える「広島県福祉サービス第三者評価調査者名簿」に登載され、かつ県内で認証された評価機関のうちの1つに所属している人です。
評価は、「管理運営」と「サービス」の二つの面から行います。
「管理運営」は、事業者の経営理念やサービス提供の方針、職員の育成、地域との交流などすべてのサービスに共通する内容で構成しています。
設問は、32問あります。
「サービス」は、それぞれの事業所が提供するサービスの種類によって異なります。
評価項目は、県独自の項目を広島県福祉サービス第三者評価推進委員会が策定し、かなり具体的な内容になっています。介護老人福祉施設・介護老人保健施設の設問は66問、通所介護事業所の設問は50問、訪問介護事業所の設問は、57問です。
評価にかかる料金は、事前の自己評価、利用者等調査の実施経費、評価調査者による訪問調査、評価結果作成、その他運営経費を含んだ額を各評価機関がそれぞれ設定しています。広島県福祉サービス第三者評価推進委員会では、標準金額等は定めていません。金額は、各評価機関から十分に説明を受けてください。
評価料金は、こちらをご覧ください。
評価調査者による訪問調査終了後、評価機関は評価結果報告書を作成します。この報告書により、受審した事業者に内容が示され、異見の有無が照会されます。異見がなければ、報告書は評価結果として確定され、評価機関から広島県福祉サービス第三者評価推進委員会に報告されます。
その後、評価機関や広島県福祉サービス第三者評価推進委員会がインターネット上で評価結果の公表を行います。公表の期間は、公表された日から2年間です。なお、受審した事業者が独自に公開することも可能です。
評価調査者になるには、広島県福祉サービス第三者評価推進委員会が実施する評価調査者養成研修を受講し、修了する必要があります。
受講の要件は、次のとおりです。
(1)に該当する人は管理運営部門の評価、(2)に該当する人はサービス部門の評価を行うことができるとされます。また、研修修了後、「広島県福祉サービス第三者評価調査者名簿」に登載され、かつ県内で認証された評価機関のうちの1つに所属する必要があります。さらに、広島県福祉サービス第三者評価推進委員会が実施する継続研修に出席し、継続的に研鑽を積むことが求められます。