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「地域活動で仲間をつくりたい・役に立ちたい」のきっかけづくり 〈プラチナ大学(熊野町校)の取り組み〉

2024.03.08 掲載

 高齢世帯や夫婦共働きの増加、定年年齢の引きあげなどで、同じ地域で暮らしている人との関わりが少なくなる一方で、地域の中で「仲間がつくりたい」「何か役に立ちたい」などの思いがあっても、どう動いたらよいかわからないことで、その一歩が踏み出せない人もいます。

 そのような思いの後押しをするプラチナ大学を、令和5年度は県内3か所(江田島市、熊野町、世羅町)で開校しました。

 年齢を重ねても、これまで培ってきた経験や能力を活かして、地域づくりや地域の支え合い活動など、多様な形で活躍するための、きっかけづくりを応援する大学校です。

 今回は、プラチナ大学(熊野町校)の取り組みを紹介します。

開校のきっかけは、「若い人も地域の中のつながりが必要!」という社協職員の思いから

 熊野町には、それぞれ地区社会福祉協議会による地域の活動があり、三世代交流などの行事にはたくさんの住民の参加がありますが、行事の参加にとどまっていたり、通勤・通学により、昼間は町外にでている住民も多いことなどから、若い世代を含めたつながりのある地域をつくっていくことに難しさがありました。そこで熊野町では、新たな地域活動の担い手養成を通じた、新たなつながりをつくる取り組みとして、プラチナ大学(熊野町校)を開講することにしました。

 「働いていても、忙しくても、地域の活動に関心をもつ」「できる活動からはじめてみる」を実現するためのカリキュラムを、熊野町社会福祉協議会(以下、熊野町社協)と介護予防などをすすめている町行政の担当課と一緒に考えました。

熊野町校のこだわり

「平日、日中ではなく、行事と重なりにくい仕事終わりの夜間に開催する」

「受講者同志で仲間づくりができる講座にする」

こだわった講座内容により、働き盛りの若い世代の参加がありました!!

 開校日当日。こだわりの一つだった、働き盛りの若い世代が受講する姿がありました。30代の田島さんは、平成30年7月の豪雨災害のボランティア活動をきっかけに、地域に関心をもったものの、何からすればよいかわからず、自分にできることを見つけるために受講されていました。

 プラチナ大学受講のきっかけは人それぞれですが、「自分らしく地域で生活したい」「自分らしく生活できる地域をつくりたい」という思いは同じです。

(第1講では、自分らしく地域でくらすためには?「豊かな暮らし」に必要なことをみんなで考えました)

 年齢や経験とは関係なく、同じ地域で暮らしている受講者という立場で、様々な人と出会えることもプラチナ大学のメリットです。講義から学ぶだけでなく、受講者同志の関わりのなかで、学び合うことも多くあります。「受講者がみんな地域の仲間になる」ために、受講者同志で話す時間は、つながりを育んでいく大切な時間となりました。

熊野町内の活動者から学ぶ!活動を続けることができる原動力は、人との出会いやつながり

 熊野町校では、「地域で楽しく活躍する」ことを身近に感じてもらうため、地域の活動者から、活動内容に加え、活動をはじめたきっかけや活動を続けてこられた理由も伝えてもらう講座を設けました。

 「地域の活動者」と聞くと、活動していない人にとっては、ハードルが高いイメージですが、活動者の本音や活動を楽しんでいるお話は、誰もが共感できる部分があり、自分ごととして、受け止めることができました。

 活動者から「定年退職後、地域に知り合いがいないことに気づいた」「家族以外の人と話す機会がなくなった」という現実が、活動をはじめたきっかけだったとのお話がありました。さらには、「顔なじみが多い方がいい、知り合いを増やしたい」「いろんな人に出会える。自分の生活だけでは体験できないことを体験できる」といった、続けてこられた理由を伝えてもらい、人との出会いやつながりが自分自身の原動力になっていることが分かりました。

(第4講の熊野町の支え合いボランティア活動ほっとくま協力員さんの言葉は、自分たちのこれからの地域生活を考えるきっかけになりました)

自分で気づき、考え、行動するきっかけになる出会いが人生を変えていく

 「地域の支え合い活動を知ろう」という講座では、熊野町中溝地区の取り組みを伝えてもらいました。活動紹介後、「中溝地区でそのような活動をされていることを知らなかった」という、中溝地区の受講者に「古紙回収、一緒にしてくれるの待っとるよ」と、報告者が声をかける場面もあり、受講者も「できることから手伝いたい」と、笑顔で答えられていました。

 中溝地区に限らず、地域の活動を「知らなかった」と話される受講生も多く、「今後、活動に参加してみたい」と前向きな言葉も聞かれました。

 知ることで気づきが生まれ、一歩を踏み出すきっかけにもなります。地域活動は、誰かにやらされるものではなく、自分で気づき、考え、行動することが活動継続のポイントになります。

(これから「自分にできそうなこと」「みんなとならできそうなこと」で盛りあがりました)

 プラチナ大学閉校後、熊野町社協の小澤さんは「田島さんが、修了後、できることからやってみたいと、ボランティア登録をしてくれました。地域には、田島さんのように、地域に関心を持っていても、活動のきっかけがない人がまだたくさんいると思う。そんな人が一歩踏み出せるきっかけをこれからも熊野町でつくりたい。人との出会いとつながりを大切に、仲間を増やしていきたい」と力強く話してくださいました。

 本会では、引き続き市町や市町社協等の関係者とともに、住民が「地域活動に関心を持つ」「地域活動に一歩踏み出す」ためのきっかけづくりをすすめていきます。

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