福祉・介護人材確保のためのプラチナ認証法人の取組み について< プラチナ認証法人交流会>
2026.01.09 掲載
高齢者の生活を支える介護人材不足
超高齢・人口減少社会が進展する中、広島県では令和7年現在、要支援及び 要介護者は165,000人、令和22年には197,000人になると予測されています。また、生産年齢人口が減少する中で、広島県の推計では、介護を必要とする人とサービスを供給する側との需要ギャップが約 10,000 人になると見込まれ、介護職員の不足が一層深刻化することが想定されています。今後、更に要介護高齢者が増加し、生産年齢人口の急減を要因として介護人材の確保が困難な状況が続くことが見込まれています。
介護の仕事に対する「体力・精神的にきつそう」、「介護の仕事内容のイメージがつかない」など、ネガティブな声が聴かれる中、市町では介護サービスの質を維持し、地域の高齢者を支えるための対策として、介護職員の処遇改善や多様な人材確保・育成、外国人介護人材や介護助手の導入など、様々な取り組みが進んでいます。
今回は、福祉介護人材確保における取り組みや役割について福祉・介護人材確保等総合支援協議会の事業であるプラチナ認証法人交流会の内容を通して本会の取り組み内容や役割についてご紹介します。

図:2020年・ 2025年・ 2040年の広島県の姿
出展:「第9期広島高齢者プラン」/令和6年広島県

図:介護人材の将来推計(県全体の需給推計)
出展:「第9期広島高齢者プラン」/令和6年広島県
プラチナ認証法人の取組み
広島県では、広島県福祉・介護人材確保等総合支援協議会(以下、協議会)を平成24年4月に県内の21の事業者団体、職能団体、教育機関、支援機関、行政機関等の連携・協働により、福祉・介護人材の確保・育成・定着を目的として、全県的な推進組織として活動を開始しました。 協議会の事業の一つとして、「魅力ある福祉・介護の職場宣言ひろしま」認証制度を実施しており、スタンダード認証と上位認証であるプラチナ認証の2段階で県内の福祉・介護を実施する法人を認証し、その取り組みを後押ししています。
そのプラチナ認証法人の人事担当者等が集い、福祉・介護人材の確保・育成・定着をすすめるため、令和4年以降、毎年、プラチナ認証法人交流会(以下、交流会)を開催しています。
交流会では、各法人における職員採用・定着・魅力発信の方法の共有や法人間での横のつながりを作るとともに、情報交換やグループワークを通じてお互いを高めあう機会としています。4回目の開催となる今回は、社会福祉法人尾道のぞみ会、株式会社QOLサービス、社会福祉法人正仁会(しゃかいふくしほうじんしょうじんかい)の3法人から人材確保・定着における取り組み内容について、事例発表をしていただきました。
また、交流会に参加する法人の中には、安定的な介護人材の確保や質の高いサービスを提供するための取り組みの方法として実習生やインターンシップの受け入れを行なっている法人も多くあり、教育機関と各法人との連携をより強固にするため、広島文教大学人間科学部人間福祉学科 中村 卓治教授、県立広島大学保健福祉学部保健福祉学科人間福祉学コース 越智 あゆみ教授のお二人をコメンテーターとしてお招きしました。

写真:事例発表の様子 左:広島文教大学 中村卓治教授 右:県立広島大学 越智あゆみ教授
事例発表では、3法人から人材の確保、人材育成・定着における課題や、これまでの取り組みについて報告していただき、働きやすく、働き続けられる職場づくりに向けた取り組みを紹介いただきました。テクノロジーを活用し業務改善やサービスの質の向上に取り組んでいる法人や、介護の仕事の魅力である「やりがい」や「喜び」を持ちながら、働くことができるよう研修等の実施などを工夫されていることが紹介されました。
法人によって人材育成や定着に向けた課題は異なりますが、それぞれの課題に対して、職員の意見を反映した働きやすい職場づくりに向けて、福利厚生や環境整備、研修体制の充実(勤務時間内で研修を受けることができる体制や資格取得支援)など、数年先の人材確保を見据え取り組みを進めておられました。
事例発表の後、広島文教大学の中村教授から近年の学生の就職事情等について、学生を指導する中で、学生が仕事に対して重要と感じていることとして、「仕事にやりがいが持てる」、「心身の健康の重視」、「人間関係が良い職場」で働くことを希望する学生が多く、これらの要因には個人差はあるものの、世代間交流が少ないことやコロナ禍における社会経験、交流経験の少なさ等の社会的な背景が影響していることも考えられるとの説明がありました。事例発表やグループ協議を通じ、各法人が取り組んでいる業務負担軽減に向けた、介護DX(テクノロジー)の導入やワークライフバランスのための工夫などを共有し、参加者からは「事例発表において法人の理念は大事であることを再確認した」、「事例発表にあった人材育成の方法を、実際に自分の法人で取り組んでみたい」、「取り組みへの評価(エンゲージメント) の重要性を感じた」、「学生の就職や仕事に対するイメージなど、具体的に知るきっかけとなった」など自らの法人が取り組むべきことへの気づきが寄せられました。

写真:事例発表の様子

写真:グループ協議の様子
プラチナ認証法人交流会に参加した越智教授のコメント

写真:県立広島大学 越智あゆみ教授(本会理事)
「事例発表では、法人内研修を業務時間内に実施することで研修も仕事に含まれることを示していたり、各部署の理念は現場で決めることで職員自身の声を組織運営に活かしていたり、ポイント付与制度の導入により評価のみえる化を図っているなど、具体的実践内容が報告されました。これらは、工夫次第でどの職場でも導入可能な内容です。少子化に伴い、今後の人材確保・定着・育成では、育児や介護中の人が隙間時間を使って働けたり、他業種から転職してきた人が現場実践を通して学ぶ環境を整えるなどの工夫が求められます。本交流会で、取り組みを推進していく際に参照できる実例が共有された意義は大きく、各職場に合わせた具現化が期待されます。」
働きたいと思える魅力発信に向けて
介護業界だけでなく他産業においても人手不足が深刻化している中で、法人では、理念やそれぞれの特色を活かし、人材確保に向けて、多くの人から職業選択してもらうための魅力発信の取り組みがされています。
近年は、介護職に対するネガティブなイメージを払拭するため、介護DXの導入による身体的・心理的負担の軽減や業務効率アップに向けた取り組みが進んでいます。また、介護の仕事を選んだ人が、安心して長く働くことができるよう、研修制度の充実やスキルアップに向けた資格取得の助成制度など、定着に向けた取り組みが行われています。
今回の交流会のテーマである「人材確保・定着」に向けた取り組みは、福祉・介護業界全体の課題であり、関係機関との連携が不可欠となっています。福祉・介護の事業所との連携はもとより、福祉関係の大学の教員など関係者との結びつきや関係者がお互いの良さを高め合う交流の場はますます重要となります。
本会は協議会での取り組みを通して、福祉の職場はやりがいがあり、働く人を大切にする業界であるという魅力の発信とともに、人材確保・育成・定着の取り組みを進める法人を応援していきます。

写真:交流会後、参加者の皆さんで記念撮影
お問合せ先
福祉人材課
所在地:〒732-0816 広島市南区比治山本町12-2 県社会福祉会館1階
電話:082-254-3415
ファクス:082-256-2228
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