中国・四国中国帰国者支援・交流センターについて
国(厚生労働省)は、第二次世界大戦後、中高年となって永住帰国した中国残留邦人やその家族を、中国帰国者として継続的に支援するため、拠点施設として、全国7か所に中国帰国者支援・交流センター(以下、当センター)を設置(民間団体に運営委託)しています。
当センターは、そのなかの一つで、社会福祉法人広島県社会福祉協議会が平成18年9月に受託し、中国・四国地域を所管しています。当センターでは日本語学習支援事業を中心に各種事業を実施し、地方自治体や支援者との連携、地域住民の理解を得ながら、日本語が不自由なため、地域社会から孤立しがちな中国帰国者の地域の人々との交流や、社会的な自立を支援しています。
中国残留邦人・中国帰国者とは
昭和20年の終戦当時、中国の東北地方(旧満州地区)には、開拓団など多くの日本人が満州移民として居住していましたが、同年8月9日の旧ソ連軍の対日参戦により満州は大混乱に陥りました。成年男子の多くは軍に召集されており、残された老人婦女子は居住地を追われ、避難中の飢餓疾病等により多くの人が犠牲となりました。このような状況のなか、生活手段を失い中国人の妻となったり、孤児となって中国人に育てられた子供を「中国残留婦人等」や「中国残留日本人孤児」といい、これらの人々を「中国残留邦人」と総称しています。
終戦後の引揚は、中国国内で内戦があり、日中の国交もなく、ままならない状態が続きましたが、昭和47年の日中国交正常化を契機として、多くの中国残留邦人が日本に帰国するようになり、国も帰国施策を推し進めました。こうして帰国した中国残留邦人とその家族を「中国帰国者」と呼んでいます。
現在、国では、7か所のセンターによる継続的な支援とともに、支援に関する法律により、地方自治体による支援給付費・配偶者支援金などの支給や、地域社会での生活環境の構築を支援しています。
詳細は、次のファイルを確認してください。
中国・四国中国帰国者支援・交流センターの取り組み
当センターを運営するための事務室、教室、交流サロン等を設置し、次の各種事業を実施しています。
| 1 | 日本語学習支援事業 | 当センターに通うことができる中国帰国者を対象に、日本語学習やパソコン(スマホ)の技能習得のための講座を開設しています。 |
|---|---|---|
| 2 | 遠隔学習支援事業 | 遠隔地や育児などのため、当センターへ通うことが難しい中国帰国者が、首都圏センターの遠隔学習課程(通信教育)を受講する際に、対面式のスクーリングを行なっています。 |
| 3 | 生活相談事業 | 言葉や生活習慣の違いなどから、日本での生活に問題を抱える中国帰国者の様々な相談に応じたり、テーマに沿って、各種制度についての相談説明会を開催しています。 |
| 4 | 交流事業 | 地域への定着、健康促進や日本語を活用する機会の増加等を目的とした講座を開設しています。また、各県において各種施設の見学、体験型学習、自然体験をする社会見学交流会を実施しています。 |
| 5 | 介護支援事業 | 介護サービスを利用している中国帰国者の孤独感を軽減するために、中国語を用いて話し相手となる「語りかけボランティア訪問事業」を行なっています。 |
| 6 | 地域支援事業 | 地方自治体を対象とした連絡会や、支援相談員等を対象とした研修会を開催しています。また、地方自治体の研修会等の開催を支援しています。 |
| 7 | 地域生活支援推進事業 | 地域で活動する民間団体等との連携を推進し、中国帰国者へのより一層の支援が行なわれるよう活動を援助しています。 |
| 8 | 普及啓発事業 | 地域住民の中国帰国者への理解を深めるため、中国帰国者の体験を聞く会等の啓発事業を実施しています。 |
| 9 | 情報提供事業 | 日本語と中国語による機関紙「七色花(ちいうすうふぁ)」を発行し、最新情報、当センター行事などを掲載しています。首都圏センターのホームページも活用しています。 |
| 10 | 就職援助事業 | 地域社会への定着及び自立を促進することを目的とし、中国帰国者に対し就職相談・就職指導等を実施しています。 |
詳細は、次のファイルを確認してください。
日本語学習支援事業・遠隔学習支援事業・生活相談事業(別タブで開きます)
地域生活支援推進事業・普及啓発事業・情報提供事業・就職援助事業(別タブで開きます)
中国残留邦人の歩んできた人生
中国から日本に帰国した中国残留邦人は、第二次世界大戦後、長期にわたって中国に残留を余儀なくされたため、日本人としての教育を受ける機会がなく、中高年となって帰国したため、日本語の習得は大変困難な状況で、既に後期高齢期を迎えています。また、家族も日本語が不自由であり、就労も思うようにいかず、安定した職も得られなかったことから、老後の生活への不安など、その置かれている環境には厳しいものがあります。その中国帰国者の歩んできた人生を紹介します。
- 川添瑞江さん「私の生きてきた道」(福祉ひろしま2020年7月号)ページへ
- 岩井梅子さん「二つの祖国で過ごした半生」(福祉ひろしま2020年9月号)ページへ
- 重山厚さん「戦禍の中を生き延びて」(福祉ひろしま2020年11月号)ページへ
- 青木盛茂さん「日本人として見てほしい・・・」(福祉ひろしま2021年1月号)ページへ
- 大沼靖子さん「祖国から引き離された50年」(福祉ひろしま2021年6月号)ページへ
- 志茂由美子さん「知りたい、私の生い立ち」(福祉ひろしま2021年9月号)ページへ
全国7か所のセンター紹介
お問合せ先
中国・四国中国帰国者支援・交流センター
所在地:〒732-0816 広島市南区比治山本町12-2 県社会福祉会館5階
電話:082-250-0210
ファクス:082-254-2464
受付時間:平日・土日(下記を除く)8時30分~17時30分
※ただし、祝日・年末年始(12月29日~1月3日)・土日(3月下旬~4月上旬、8月中旬、
9月下旬~10月上旬)は、お問合せフォームで受け付けます。
(返信には数日程度かかります)

